メディアにおける風刺画映像の扱い

これ関係の記事を色々見ていたんですが、BBCに面白い記事が。

BBC's dilemma over cartoons

BBCとしてこの風刺画の映像・画像を放送するかどうかという問題に関していろいろと論じています。結局BBCの結論としては「抗議行動の映像の中で自然に見える部分に関してはそのまま放送するが、それ自体を拡大し、静止画として映すことはしない」ということのようです。
このような姿勢で放送がなされたようですが、これに対して一方では「絵を見ないとわからないから絵をちゃんと映せ」という抗議が、もう一方では「ちょっとでもあんな酷い絵を映すのはやめろ」という抗議が殺到していたということです。
どちらかの立場に明確に立っているとそれらの抗議は仕方ないものに思えますが、僕にはBBCの態度はバランスのとれたものだったと思います。正直今はテレビで見れなくてもウェブがありますからね。上記のBBCの記事でも言及されてますが、ウェブ上ではかなりの部分見るか見ないかは閲覧者の裁量に任されます。見ようと思えば見れるし、見たくなければ見ないでいいということです。BBCはそういう自分で扱えない部分を完全にウェブに委託してしまったわけですね。これはテレビ局としてのBBCの限界をわきまえた節度ある態度なんじゃないかと思います。テレビがすべてではないということを知っているというか。
まあこの反対にはテレビをすべてだと思っている人々のことがあるわけですが、それは置いておくとしても、テレビに限らず日本のメディアが、この「表現の自由」という彼らが金科玉条としているものに関する問題をどう扱っているかは興味深いところです。少なくともウェブで新聞のサイトを見る限りは、「表現の自由」を真正面から取り上げた記事は無いように思いました。もちろん紙面にはあるのかもしれませんが、残念ながらなかなかそれを見れる環境にないので、もしなにか気が付いたものがあれば教えていただけると幸いです。