森村敏己「個別事例研究は何を目指すのか:歴史研究における質的アプローチ」『質的研究アプローチの再検討』(勁草書房、2023年)pp. 87-109.

 歴史学の方法論についていろいろ見ている中で引っかかったものとして。本筋は質的アプローチの復権のようなものにあるのだが、量的アプローチの大まかな流れや現在の時点で参考とできる概説なども紹介されていて勉強になった。
 著者はフランス史が専門。往々にしてそうなのだが、中東史だとやはり方法論的なトレンドをまとめるような人があまりいないので、少し自分でもやらなければなあ、という次第。