2023-01-01から1年間の記事一覧

森村敏己「個別事例研究は何を目指すのか:歴史研究における質的アプローチ」『質的研究アプローチの再検討』(勁草書房、2023年)pp. 87-109.

歴史学の方法論についていろいろ見ている中で引っかかったものとして。本筋は質的アプローチの復権のようなものにあるのだが、量的アプローチの大まかな流れや現在の時点で参考とできる概説なども紹介されていて勉強になった。 著者はフランス史が専門。往々…

NHKミャンマープロジェクト『NHKスペシャル取材班、「デジタルハンター」になる』(講談社現代新書2664、2022年)

自分の守備範囲ではないと思ってややアンテナから外していた感のあるミャンマー情勢。しかしこれなどを読むと、ちゃんとフォローしておくべきだったというのが一番の感想。 NHKでもOSINT(Open Source INTelligence)と呼ばれる主にインターネットを介した公…

津野香奈美『パワハラ上司を科学する』(ちくま新書1705、2023年)

今日店頭で見かけて買ってサクッと読了。理路整然と書かれていたので読みやすかった。 僕は仕事柄パワハラをしていないかいつもドキドキしながら過ごしているので、定期的にこれ関係のものは買って読むようにしている。 このへんの知見がちゃんと普及して初…

歴史時代以前における骨による性別の見分けと女性の社会的位置

Dental Analysis Reveals Startling Truth About Copper Age ‘Ivory Man’ of Iberia The body buried with exotic goods and in glorious isolation in Chalcolithic Iberia wasn’t a man. The role of women in emerging civilization needs rethinking, th…

Amazonへの怒り燃える

Amazonのやり口にもう耐えられなくなったので、Amazonでの書籍購入(特に電子書籍)をやめる方向で考えています。Primeはすでに離脱しました(まだ有効期間は残っているが・・・)。 まあ今に始まったことじゃないですが、カスタマーセンターの人は自社商品…

詠坂雄二ならこれも素晴らしい

録画でアメトークを見ていたら、書店員芸人・カモシダせぶん氏によって詠坂雄二の『5A73』が紹介、というか激推しされていました。僕の中で、「もっともっと評価されるべき」の5本の指に入る人(その他には片山まさゆき、神林長平、施川ユウキなど)なのです…

東大作『内戦と和平:現代戦争をどう終わらせるか』(中公新書2576、2020)

kindleで読了。主に国連の立場からの和平構築について著者の調査体験をベースに書かれたもの(著者は元NHKで、その後海外で博士号を取得している)。 紛争当事者の言葉などに興味深いところはあったが、国連の役割に投げかけられている疑問に十分答えられて…

形式と意味

文学批評家たちの間に、文学作品において「表現法(ラフズlafẓ)」と「思想(マアナーma‘nā)」のどちらがより重要かという議論があって、例えばジャーヒズは、文学は表現法や形式によって評価されるべきとしている。それは作者が表現する思想は普遍的なもの…

Twitterの変容によせて

ここ八年ほど、スマートフォンの導入とともにTwitterが何かを書くときの主戦場となっていたのですが(それ以前はTwitterもパソコンでやっていたので)、いろいろな変化で、脱Twitterの感じになってきています。とりあえずあるものを活用ということで、なにか…