2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ヒューム『市民の国について(上)』(岩波文庫・青619-5、1952年)

現在を非難し、過去を讃歎する気質は、人間性の中にしっかりと根を下ろしており、そのため、最も透徹した判断力と最も該博な学識とをもったひとびとにさえ、影響を及ぼすものなのです。 (「古代人口論」p.125) 古代の人口が後の時代の人口に比べて過度に大…

野家啓一『物語の哲学』(岩波現代文庫・学術139、2005)

「物語」と「歴史」に関していろいろ示唆に富む本なのだが。 ノートの上に一本の線分を水平に描いてみよう。それを時間軸と見なすことは、物理学の初歩を学んだわれわれにとっては、きわめて自然な発想である。話を歴史的時間に限るならば、線分上の各点にさ…