2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

参照可能性の増大

今現在あらゆる資料のデジタルアーカイヴ化が進んでいて、文字の発明とか紙の普及とか印刷術の普及とかに近いインパクトがあると思うのだが、学問(とりわけ人文系の)にとって参照可能性の増大がどんな影響を持つかについての研究があれば読んでおきたい。 …

仲正昌樹『お金に「正しさ」はあるのか』(ちくま新書500、2004年)

これは面白い本でした。そもそも貨幣について考えるに際してまず自らに関わる「大学や研究者と貨幣」というところから説き起こす点が誠実な感じを醸し出して好感が持てる。 話は多岐にわたるものの、筋としてはだいたい納得できる。ただし、仕方のないことで…

小田亮『レヴィ=ストロース入門』(ちくま新書265、2000年)

著者がレヴィ=ストロースのことが大好きだということがよくわかる本。そして僕が「構造主義」というものにこれまでかなりの不信感を抱いていた原因は多分レヴィ=ストロースなんだろうなあ、ということがなんとなくわかったような、わからないような。少な…

高田明典『世界をよくする現代思想入門』(ちくま新書577、2006年)

個人的には世界をよくする気はさらさらないが、「現代思想」の見取り図として購入。特に巻末のブックガイドは、人物ごとに「入門本」「原典」「さらに深める研究」という風に挙げられていて極めて重宝する。 でも現代思想というようなものを考えていた人たち…