風刺画:ホロコースト漫画で対抗 イラン紙(MSN 毎日インタラクティヴ)

イラン紙ハムシャハリは7日の紙面で、欧州の新聞がイスラム預言者ムハンマドの風刺漫画を掲載したことに対抗し、ホロコーストユダヤ人大量虐殺)に関する漫画のコンテストを実施すると発表した。
同紙は「欧米は、米国とイスラエルの(パレスチナ人などに対する)犯罪やホロコーストのような出来事に言論の自由を認めているのか。宗教の聖なる価値を侮辱することだけが許されるのか。イスラム教徒の深刻な疑問だ」と主張。

やっぱここか、という感じで出てきましたね。下のコメントでも書きましたが、西欧世界はことユダヤ人関係はタブーというか、アンタッチャブルな領域なので、問題がこじれそうです。まあもともとイランとはこじれてますけども。アフマディーネジャードはどこを目指しているのかまったくわかりません。本気でイスラエルを叩きつぶそうと思ってるならそれはそれで凄いです。

コンテストで言論の自由の境界を試すため、世界中の芸術家に「言論の自由」に基づき、ホロコーストなどに関する漫画を送るよう求めた。ロイター通信によると、入賞者12人には賞品としてそれぞれ140ドル(約1万6500円)相当の金貨2枚が贈られる。

にしても賞金が安すぎませんか?僕でも頑張れば開催できます。まあ話題にして煽りたいだけだとは思うんですが、でも出す人は(度を超して怒ってしまった人の中には)結構いるだろうなあ。
最後に言っておくならば、アフマディーネジャードの言ってることは実は正論で筋が通っているんですね。ホロコーストが現代ヨーロッパの考え方の一つを規定しているとすれば、ムハンマドも中東世界の考え方の多くを規定しているわけで、もちろん比較すること自体が間違っているのですが、どちらもそれぞれの文化圏でアンタッチャブルなテーマであることは間違いないわけで。僕は歴史研究をしていますが、自分が現代のムスリムの意に沿わない結論の出たムハンマド研究を発表するのは、正直嫌だなあ怖いなあと思います。アカデミックな世界ですらそうなのですから、推してしるべし、で。欧米の研究者は結構簡単に言っちゃいますけどね。コーランアッバース朝期に作られた、とか。まあその辺、配慮が無くても成り立つなら楽なんですけど、実際には軋轢を招くケースが多いわけで。

参考:Muslim cartoon row timeline

追記:イラン紙「ハムシャフリ」って「毎月」かなあ?