研究のこととか

最近ここがエジプト愚痴日記になっているので、たまには研究的な話題を。
最近読んでいたのは、Boaz Shoshan,Poetics Of Islamic Historiography: Deconstructing Tabari's History, Brill, 2004 (ISBN:9004137939)。最初は詩に関する研究かと思っていたんですが、どうも違うようなので、手持ちの電子辞書を引いてみたら、英英辞典に”the study of linguistic techniques in poetry and literature”と出ていて、まあ詩に限らずそういうリングイスティックな研究なのか、と納得はしたものの、微妙な感じ。第一部のより理論的な部分を読み終わったんですが、面白いけど、なにかに応用するとか、研究にどういう影響があるとか、そういうものではない感じです。基礎研究なんだけど、聖書学の方法論なんかを援用していて、本当の意味で基礎研究になっていないような。まあ最後まで読んだらもう少しなにか見えてくるかもしれません。
ところでこの著者、これまであんまり初期イスラーム時代に関わるような研究をしていなかったと思うんですが、こういうのってどういうことなんでしょうね。本当はこういうことがやりたかったのか、他からのオファー的なもので仕方なくやったのか。うーん。後者の匂いがそこはかとなくするのですが・・・。