ウラジミール・プロップ『昔話の形態学』(白馬書房、1987年、原著1928年)

有名ですが。ロシアの「魔法昔話」をその物語中に存在する機能によって分解・整理すると、すべての話のひな形となる構造が見出される、という研究。レヴィ・ストロースが取り上げたために有名になった、という話も有名。現代から見て批判はあるにしても、非常に明快な研究で、いつかこういう研究がしたいと思わせる。
ただ、結論のところで、この構造を宗教と関係するものとして捉えている点には若干の疑問がある。筆者自身もそれは歴史的な研究を行わなければ本当のところはわからないと言っている暫定的なものではあるのだが。とりあえずこれに続く『魔法昔話の起源』も読んでみたい。