定跡外れ

序盤定跡は特に大きい。ゲームは定跡から外れる前に終わることもあるのだが、そもそもゲームは定跡から外れるまでははじまりもしない。これを人生に置き換えてみよう。生きている間に定跡から外れない人間もいる。だがそもそも、定跡から外れなければ生きているとは言えないのだ。
ブライアン・クリスチャン『機械より人間らしくなれるか?』(草思社、2012年、原著2011年)p.161より

チェスにおける人間対コンピュータの対戦について話から派生した思索。序盤と終盤の定跡は暗記のみが支配する領域で、序盤の定跡を外れたところからゲームの真の戦いである見通しの利かない中盤が始まるという話。
至極納得だけれど、定跡外れを打つのは勇気がいるよなあ、という。だからこそ、ということでもあろうが。