もうちょっと風刺画関連

Meanwhile, German writer and Nobel Winner Gunther Grass compared the cartoons to Nazi caricatures of Jews, in an interview published Thursday in Portugal.
"I recommend that everyone have a look at the drawings: they remind one of those published in a famous German newspaper during the time of the Nazis, Der Stuermer," he told the weekly news magazine Visao.
"It published anti-semitic caricatures of the same style."
Der Stuermer (litterally, The Attacker) was a Nazi newspaper which appeared from 1923 to 1945.
(The Daily Star - Egypt: Feb 17, 2006)

ムハンマドの風刺画に関して、「ナチの反ユダヤのと同じだよ」という指摘。相変わらず主な情報源は英字紙というところが若干悲しいですが、正直内容は英字紙の方が充実している気もします。気もします。
コメントしてる人は、ダンツィヒポーランド)生まれのドイツ人ノーベル賞作家で、生まれ故郷を舞台として、ナチスや戦争体験などをテーマにした小説を書いているようです(ウィキペディアの該当ページhttp://en.wikipedia.org/wiki/Gunther_Grassで見ただけですが)。
上記のナチの新聞に掲載された漫画は、
http://www.calvin.edu/academic/cas/gpa/sturm28.htm
http://www.calvin.edu/academic/cas/gpa/sturmer.htm
などでいくつか見ることができます。
まあ数が多くないので判断しかねるところがありますが、どうでしょうかね。僕は「おお、似てるな」とは思いませんでしたが、まあ向いている方向は似ているのかもしれません。上記のような経歴の人だから、こういう言い方をする、というところもあるのかもしれません。
まあでも、結局キリスト教イスラームも、ユダヤ教の流れを汲む宗教なので、真っ正面からユダヤ教という「宗教」を嘲笑することはあまりないんじゃないかと思います。どうも方向としては「ユダヤ人」とか、「イスラエル」といったような「民族」や「国家」に嘲笑の焦点があるのではないかと。しかしキリスト教ではイスラーム預言者であるムハンマドをまったく認めていませんので、ああいう描き方が可能になる、と。
実証的にできてないので甚だ心許ないのですが、この問題を語るときにかみ合わなくなるのは、こういうところの相互理解が進んでいないということも原因の一つではないかと思います。