ミニヤ探訪

12日から一泊でエジプト中部の都市ミニヤに行ってきました。一日目は筑波大学の川西宏幸教授の発掘隊の発掘現場を見学し、二日目にはミニヤ近郊のテル・エルアマルナというところにある古代エジプトの遺跡を幾つかまわるというものでした。
日本人が固まって移動するタイプのツアーは本当に久しぶりでしたので、ペースがつかめず結構疲れました。川西隊は「一番過酷な発掘環境」で掘っているという話を聞いていたのですが、この時期のエジプトで発掘を行うのは、日本の大学事情から仕方ないとはいえ、恐ろしいことです。まあミニヤはカイロに比べて南にあるので日差しを強く、気温は高いと思うのですが、湿気も少ないし風が結構あったので予想していたよりはマシな状況でしたが、それでもあそこで発掘に従事している方々には頭が下がります。掘っているもの自体は、新王国期からプトレマイオス朝、ローマ期にかかるような都市の遺跡の一部のようです。新発見のミイラなども見せていただきましたし、地中海岸との交易の痕跡も含め、この町のその時代における位置づけというものをいろいろ修正するような発見もあるようで、いい仕事をしてるなあ、と思いました。
二日目の遺跡見学は久々に古代エジプトに触れたなあ、というところで、まあ結構凄いものもあったんですが、それはそれとして、遺跡に行くまでに通った道々の方が印象的でした。僕は一年弱カイロに住んでいますが、どうも「エジプトは貧しい」イメージが形成されつつあったようです。しかしナイル沿いに広がる密度の高い、広大な農地を目にして正直かなり吃驚して「エジプトは豊かな国だ」と思い直しました。少なくとも近代以前、エジプトが超一等の経済大国だったことが容易に窺われる風景でした。
ということでたまにはカイロの外にも出なくちゃなあ、という話でした。