古墓関連逸話試訳2

陳金は若くして軍人となり、江西節度使劉信に従って、處州を包囲していた。彼は密かに仲間五人とある大きな墓を発掘したが、棺桶を開けてみると、白い髭の老人で、その顔は生きているごとく、全身白い着物を身につけ、それもすべて新品のようであった。
棺桶を開けると白い気が天へと立ち上って、墓の中には香しい匂いが残った。陳金が一人で棺桶の蓋を見ると、粉のようなものがあり、かすかに硫黄の匂いがした。陳金は以前棺桶の中の硫黄は薬であって、仙人になれると聞いていたので、服の懐にそれを掬いとって、持って帰った。墓の中には他に珍しい宝もなかったので、皆で墓を埋めて出た。(これでまだ半分くらい。残りは明日)

(宋・徐鉉『稽神録』巻五「陳金」)