青木健『ゾロアスター教』(講談社選書メチエ、2008年)

ゾロアスター教を中心にイラン系の宗教を紹介した本。ゾロアスター教については知らなければいけないと思いつつ、あまりしっかりした本は読んでいなかったので、勉強になる部分が多かった。
ただ、僕の知識不足が理由かもしれないが、事実関係がいまいちわからなかったり、史料の制約上仕方ないとはいえ、推論が強すぎる点があるようにも感じた。とりあえず氏の博士論文をもとにした研究書『ゾロアスター教の興亡』(刀水書房、2007年)を読んでみてから、ということになろうが、実は本書でもっとも気になったのは「あとがき」の最後の部分。

また、本書の表紙を飾り、各ページに掲載された写真は、大部分筆者がイランとインドで撮影したものである。スィーラーフとアルメニアの写真のみ阿部尚史氏(当時、テヘラン大学大学院留学中)から提供して頂いた。貴重な写真を貸して下さった阿部氏に感謝したい。「人物を褒めるに値しない時は、ネクタイを褒めろ」という諺言がありますが、本書では、せめて写真の方を鑑賞して頂きたいと思います。