浜田寿美男『取調室の心理学』(平凡社新書226、2004)

読了。上の本と同じ著者。自白だけでなく、証言の記憶の変容や、知的障害を持つ人に対する取調官の誘導などの事例を挙げている。実は読み始めたのはこちらが先で、もともと研究に関わる関心から記憶関係の本を見ていたところで見つけた一冊。
これを読んで最初に思ったことはやはり、「裁判員制度導入よりも取調べの可視化(録音録画の徹底)が先であるべき」ということだった。まともに機能させれば警察の信頼を取り戻す意味もあると思うのだが。
ただ著者のいう「マインドコントロール」的な誘導は、取調官が最も強く影響を及ぼすのは確かだろうが、それ以外の人々によって行われる可能性もあることは留保しておいた方が良いとは思う。